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みなさん「ほたるこい」という歌をご存知でしょうか?
「♪ほ、ほ、ほたるこい あっちの水は苦いぞ、こっちの水は甘いぞ」という歌です。この歌は、江戸時代から日本人に親しまれている童謡で、蛍狩りの際に歌われていたんだとか。
これ以外にも蛍は、俳句の季語や、和歌にも多く詠まれており、昔から日本人に愛されてきました。とある、切ない恋を歌った和歌をご紹介いたします。
「この月は 君来まさむと 大船の 思い頼みて いつしかと 我が待ち居れば 黄葉の 過ぎて去にきと 玉梓の 使いの言へば 蛍なす ほのかに聞きて 大地を 炎と踏みて 立ちて居て(省略)」(作者不詳 万葉集 巻十三 三三四四)
「今月こそは、あなたが帰って来られるだろうと、心待ちにしていたのに。
“あの方はもみじが散るようにはかなく死んでしまった”という言葉を、使いの者から蛍火のようにちらりと聞いただけで、まるで炎をふんづけたかのように飛び上がり、立ったり座ったり、どこへ行けばいいのかもわからず途方にくれました。
思いまどって、長い溜息をついて嘆いてみてもなんの意味もありません。いったいあなたはどこにおられるのでしょう(省略)」
この歌は、日本最古の和歌集『万葉集』に収録されていたものです。蛍の光を、頼りなくて切ないものとする気持ちは、奈良時代も現代も変わらないようです。
平安時代の女流詩人・和泉式部(いずみしきぶ)の詠んだ短歌にも蛍が登場しています。
「もの思へば 沢の蛍もわが身より あくがれ出でつる魂かとぞ見る」(巻二十 雑六神祇 一一六二)
「あなたが恋しくて思い悩み、ここまで来てみると、沢に蛍が舞い飛んでいます。そのはかない光は、まるであなたが恋しくてこの身からさまよい出た魂のようです」
これは、夫の自分に対する気持ちが冷めてしまったことに悩む和泉式部が、貴船神社に何度もお参りをし、夫の気持ちを取り戻せるように祈願した際に詠んだもの。恋多き女と言われていた和泉式部も、現代人と同じように苦しい恋に悩んだようです。
沢に舞う蛍という、美しくも切ない情景が目に浮かぶようです。
平安時代の歌人で、『古今和歌集』の撰者であった紀友則(きのとものり)はこんな短歌を詠みました。
「夕されば 蛍よりけに燃ゆれども 光見ねばや人のつれなき」
「夕方になると、蛍の光よりも恋心は燃え上がる。でも、ひとの恋心は蛍のように見えるわけじゃない。だから、あのひとは気づかシアリス20mg30錠